本当に大切なものは「見えない」

On 2011年1月4日, in ブログ, by nakamura
この記事の所要時間: 134

以前のエントリーで目先の売り上げ利益よりも信頼が大切、という話をしました。

過去エントリー:商売で本当に大事なのは「売上・利益」より「信頼」

しかしながら、ゲームソフト業界の現実は目先の売り上げ利益を追いかけている企業が多い気がします。

その理由の一つは「売上利益は数字という形で見えるが、信頼は簡単には目に見えない」という事です。

「信頼」は簡単に見えませんから、失っても「すぐには」気がつきません。

そして、ジワジワと、ある時は突然、売上利益という数字の形になって現れます。例えば、今まで売れていたシリーズが全然売れない、あるいは会社全体での売り上げが上がらない、といった形でです。

で、ここでも理由はよく分かりませんから、それが過去に信頼を失った事が原因である事には気がつきにくいのです。

接客がメインの店舗経営、サービス業等であれば、「見える」事もあります。今まで常連だったお客様が来なくなったり、来店頻度が下がったり….

でも、やっぱり多くのお客様は「黙って」去ります。

残念ながら、お客様から遠い「上流の」ゲームメーカーがパッケージを作って小売店に売る、という業界の構造ではメーカーが本当にお客様に近づく努力をしなければ、お客様が何を求めているかも、信頼を得ているか失っているかも「気づかない」のです。

関連エントリー:ゲーム開発が「上流」と嫌みを込めて言われる訳

結果的に、大切な「見えない」信頼を失う事で、将来的な売上利益も失う訳です。

ですが、逆も言えます。

「見えない」信頼を得る事で、将来的な売上利益を得る事も出来る可能性を増やせます。

経営者やプロデューサーの役割は、「見える」目先の売上利益だけにとらわれず、将来的に本当に何が大切かを常に考え行動に移す事だと僕は考えています。

関連エントリー:ゲームが売れる理由の理由はずっと昔にある

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コメント(1): 本当に大切なものは「見えない」

  1. shugo より:

    「利益」と「信頼」の関係って、なんとなく不思議な感じがしますね。

    大方の、自身の職業に対するありようと、ゲーム関係者の、ゲームメーカーに対するありようとが、社会理念としておおよそ同じものと考えると、ゲームとして成績のいいものと信頼に足るものが違うものだということは大変なことですね。
    ゲームに対する一般的な信頼の中身って一体何なんでしょう。

    一般的には、社会に対して求めてるものとゲームに対して求めてるものとは、違うどころか正反対だったりもするワケでしょうか?

    そうだとすると、ゲーム業界の場合、企業が、企業の理念から離れたところからデザインのコンセプトを持ってくる必要があったりもするんでしょうかね。
    あ、それとも、ドラッカーの論からすると、これまでの広汎な理念のほうにこそ間違いが多かったりということか…?

    それでも、サイコロが占い(天気?)の道具だったことから考えると、ゲームが社会背景をバックボーンとして必要としているともとれるので、例えば今の時代でいえば、信頼関係なんかをテーマにできたりすれば、あるいはユーザーの信頼にもつながるんでしょうか。
    非常に気になりますね。

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