私は失望などしない。なぜなら、どんな失敗でも次への前進の新たな一歩となるからだ。
[トーマス・エジソン(1847〜1931)]
前回の記事で、「ことばのパズル もじぴったん」PS2版のパッケージがうまく出来ていなかったため、お客さまに伝わらず思い通りにならなかった事をお伝えしました。
過去記事:もぴったんPS2でのパッケージの失敗
もじぴったんの最初の家庭用商品(PS2版,GBA版)発売時に最初に想定していた購入者はゲームセンターでもじぴったんを遊んでいたお客様、でした。当時のゲームセンターの小型ビデオゲーム機が置いてあるコーナーにはほぼ男性しかいないような状態でしたから、そのお客様が最初に購入するだろう、と思っていた訳です。
確かに「もじぴったん」PS2版の初期購入者の半数程度は、アーケード版の体験者でした。
しかし、残り半分のお客様は、逆にいえばアーケード版をやった事がないか、まったく知らない人だった訳です。
具体的には、「子供の言葉の勉強にちょうどいいかも」と思ったお母さんが購入しているケースが少なからずあったのです。
お母さん達にとっては「子供が遊ぶ(子供に遊ばせる)」という部分については(少し難しくて)期待通りではなかったのだったのだけど、子供のプレイを横から見ているうちに自分でやりたくなって結果はまってしまった、という事が起こっていました。
PS2版のもじぴったんの発売前から、社内では、PS2のソフト=男性向けという常識がありました。ですから、大人の女性に受けていた、という事実は想定していませんでしたが、女性の満足度が非常に高かった事は、今後の一手に繋がるのではないか、と当時の僕は考えていました。
パッケージが中身をうまく表してなかった事が、結果的にお客様にうまく内容が伝わらず、買って頂くに至らなかっただけでなく、購入されたお客様の期待とずれてしまった訳ですが、結果的に起きた事をよく理解した事で、「もじぴったん」が当初想定していなかった方々に他のゲーム商品にない魅力を与えていた、という新たなチャンスを見いだしたのです。
ゲーム業界では特に、ぱっと出して売れなかったら「ハイ、オシマイ」となりがちです。
「もじぴったん」も、PS2/GBA版発売の後「たいして売れなかった」と諦めていたら、そこで終わっていた気がします。
仮に思い通りの結果が得られなくても、そのうまくいかなかった結果の中に次の一手になるチャンスがないか、と考える姿勢はプロデューサーとして必要なのではないかと思います。
こちらもあわせてどうぞ
- もじぴったんPS2でのパッケージの失敗
- 5年後、10年後にも遊ばれている事が想像できるか
- ただ「遊んでもらいたい」だけが動機だった
- 取扱説明書は読まない、のを前提にする
- 販売手法をライバル会社から学ぶ
コメント(3): 失敗の中から機会を発見する姿勢
takashi0nakamur へ返信する コメントをキャンセル
Additional comments powered byBackType
ブログ更新「 失敗の中から機会を発見する姿勢」1日3分でゲームプロデュースがわかる!生の知恵ブログ http://bit.ly/kHhc6h #gpblog
This comment was originally posted on Twitter
失敗の中から機会を発見する姿勢 | 元もじぴったんプロデューサーの生の知恵ブログ: http://bit.ly/jfvfA2
This comment was originally posted on Twitter
失敗の中から機会を発見する姿勢 | 元もじぴったんプロデューサーの生の知恵ブログ http://htn.to/qwsXig
This comment was originally posted on Twitter