仕事とは何か、についての多くの人のイメージは「お金をもらうために、いやな事を我慢して人に言われた事を仕方なくやる」というものでしょう。もし、あなたが自分の仕事にそういうイメージを持っていないとしたら、それは今の世の中では「ごく限られた」幸運な人なのかもしれません。
仮に自分がゲームを作る事を仕事にしたいと思い、運良くゲーム業界に入れたとしたとしても、結局のところ「売上げが…人月が…利益が…決算が…」というのが仕事の大事な方針を決める優先になってしまっていて、そのために長時間働いて頑張るのだけど、実際そういってお金のために、といって働いてきた結果が、むしろ全く逆効果で、売上げも利益もあがらず、という事もまったく珍しい事ではありません。
皆さんに立ち止まって考えてほしいのですが、もし、あなたが働いている事の目的が「自分の給料」や「会社の利益」や「株主」のため、つまりお金を稼ぐ事が第1だ、という事であったとしたら、「じゃあ、今あなたがゲームを作るという事はそのために最適な手段なのか」という事です。
確かに、会社組織にとって、お金を稼ぐ事はとても大切な事ですが、それが一番の目的ではないはずなのです。
むしろ、お金を儲ける、稼ぐ、回す事は、その組織、あるいはその組織に属する個人にとってもっと別の意義がある事のための手段に過ぎないのではないでしょうか。
同時にゲームを作る事そのものもあくまで手段であって目的ではないはずです。
過去記事:プロ故に「ゲームを作る」が目的化する罠
ある仕事をやろうと思った時、「この仕事をやる事で1円もお金が入ってこないと分かっていてもやるべき、やりたい、と感じるか」という問いは、本当に自分にとって、そして世の中にとって意義のある仕事を見つけるための自分への質問となるのではないでしょうか。お金でない、「意義」を自分がやろうとしている事へ見いだす事は、自らのモチベーションへも繋がりますし、逆に「やらなくてよい事」に気がつき、本当に大切な事へエネルギーを費やすための一歩になるはずです。
参考記事:会社の役に立っても社会の役に立たない?
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