プロデューサーになってから、小売店の方と直接お話ができるチャンスが何度かありました。僕としては知らない事だらけでしたから、話は本当に新鮮でした。
その最初の頃に、あるゲーム専門店を経営している方に僕が言われたのはこんなことでした。
「現場(小売店)では、ある種嫌みを込めて開発の方を『上流』というんです」
何故「上流」なのでしょうか。
川の上流から濁った水を流されたら、下流も確実に濁ってしまうように、上流の開発が売れないゲームを作って流通に流されても、下流の小売店ではどうしようもない、という意味なのだそうです。
売れないものは、残念だけどお店でどんなに努力しても売れていかない。お店としては同じ努力をするなら売れる商品がより売れるように目立たせたり、ディスプレイを作ったり、PVを流したりして仕掛けたほうが断然お店の売り上げ利益はあがる訳です。
そして、売れないものばかりを流されたら、小売店は無策、苦しくなるだけです。
そして、もう一つ、嫌みを込めて上流、という理由は、上流である「開発」が一番お客様から遠い、という事なのです。
開発者はゲームのことは自分達が一番よく知っている、と思っているかもしれませんが、直接お客様に接して、お客様の買う、買わないを直接そばで見ているお店からすればお客様の事を知らなすぎるように「上流」にいる開発者の事が見えているのだと思います。
その後も、小売店の方と直接お話ができるチャンスが何度かありましたが、その度に重要な示唆を頂きました。
言われた事を確かめるために店頭観察を続けて、知らなかった事実を沢山発見して自分達がいかにお客様から遠い所にいるかと言う事を思い知らされました。
ゲームを企画開発する僕らが、実のところ一番お客様の事を知っているのが本来の姿だと思います。
そこに大きなギャップがあると僕は考えています。
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コメント(1): ゲーム開発が「上流」と嫌みを込めて言われる訳
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プロデューサー生の知恵ブログから過去記事紹介:「ゲーム開発が嫌みを込めて【上流】と言われる訳」 http://bit.ly/gEsG7k #gpblog
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