ゲームソフトが発売日に売れる不思議、というお話をしましたが、一般の方には不思議には感じない方もおられると思います。
すごく期待しているゲームなんだから、早く購入して、早く遊びたい。
あるいは、皆と一緒に遊びたい。
だから発売日に並んででも購入したい。
でも、前提になっているのは、その期待しているゲームソフトが購入すれば期待通りか期待以上の満足を与えてくれるという会社やブランドに対する「信頼」なのです。
今PSPのモンスターハンターポータブル3rdが爆発的に売れています。もちろん発売日には行列ができ、今でも品薄状態が続いています。
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それは、モンスターハンターポータブルのこれまでのシリーズが、最初の製品からずっと信頼を裏切らない、期待通りか期待以上の満足を与えてくれたからではないでしょうか。
ですから、その最新作は、きっと今まで以上の満足を与えてくれるに違いない、と思って発売すぐに購入したい、と思うのではないでしょうか。
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もっと言えば、PlayStation 2 向けに発売されたオリジナルのモンスターハンターという商品が全然ダメな商品だったら、今のこのモンスターハンターポータブル3rdのヒットはない訳です。
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PlayStation 2 向けのモンスターハンターが発売されたのは2004年3月。開発が始まったのがその2年前だと仮に考えるとかれこれ8年位かけて積み上げてきたものが、今の「売れている」という結果に結びついているのだと僕は考えます。
(参考)Wikipedia によるとオリジナルのPlayStation 2版のモンスターハンターは29万本の売り上げだったそうです。
経営者やプロデューサーが信頼を積み重ねる必要がある、という話を過去のエントリーでしましたが、今ゲームソフトをお客様が発売日に買うというのは、過去に積み重ねた「信頼」によるものなのです。
過去エントリー:商売で本当に大事なのは「売上・利益」より「信頼」
今、50万本、100万本、200万本も売れている商品の殆どは過去5年、10年、いやそれ以上積み重ねてきた「信頼」の元にお客様が購入しているのではないでしょうか。あのシリーズ物も、あの世界的に有名なキャラのゲームも、まさに積み重ねてきた会社やブランドへの信頼がなければ購入していただけないのです。
別の見方をすると、今売り上げがあがらないという要因は5年、10年前から段々信頼を失ってきた結果ではないか、という見方もできるのではないかと思っています(もちろん、それだけではないのは十分理解していますが)。
信頼は、残念ながら一朝一夕には積み上がるものではありません。
目先の利益にとらわれて、信頼を失っていく事が、どれだけ将来の自分たちの首を絞める事なのかを経営者やプロデューサーは肝に銘じる必要があるのではないでしょうか。
プロデューサー生の知恵ブログから過去記事紹介です:「ゲームが売れる理由の理由はずっと昔にある」 http://bit.ly/iiODsH #gpblog
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