アーケードゲーム開発の良さ(1)

On 2010年11月27日, in ブログ, by nakamura
この記事の所要時間: 25

前のエントリーで商品を企画開発する人が上流、と呼ばれていてお客様から遠い存在になっている、という話をしました。

過去エントリー:ゲーム開発が「上流」と嫌みを込めて言われる訳

僕のナムコに入ってから後のしばらくのお仕事はアーケードゲーム(主にゲームセンター等に置かれるゲーム機)の開発の仕事でした。

その後、もじぴったんの家庭用版(PS2,GBA)の開発をきっかけに初めて家庭用ゲーム機の開発に取り組んだわけです。

その経験から感じた事は、家庭用ゲーム機向けのゲーム開発に比べて、アーケードゲームの開発のほうがよりお客様の観察をしやすかった、お客様の事を知りやすかったという事です。

ゲームセンターに行けば、実際に直接お客様が遊ぶところ(遊ばないところも!)を見ることが出来ます。

足で稼いで、色んなお店を色んな時間に見て回れば、製品の問題も、お客様が何に喜んでいるのか、それはどんなお客様なのか、という事も分かります。行動をよく見ていれば、理由もなんとなく想像できます。

製品も発売前に実際にお店に設置してテスト(ロケテスト)されてから実稼働させるのが普通です。

ロケテストの結果で製品の改良ポイントをつかんで改良しますが、実際、これによって製品の大きな問題が解決される事も少なくありません。


対して家庭用ゲーム機の場合は、お客様のゲームソフトの使用実態、遊んでいる所を直接見ることはかなり難しいです。

家庭用ゲーム機向けの仕事しかしたことがなければ、自分が開発した商品が実際にお客様に遊ばれている所を一度も見たことがない開発者のほうが実の所多いのではないかと思います。

僕は、このお客様が遊んでいる所を見られるという良さは、単純に自分たちが開発した商品の改善改良のため、というだけではないと考えています。

開発者のモチベーションは、お客様が喜んでくれている所を実際に見る事で生まれてくるものです。

それはお金に換えがたい喜びだし、その事が次の商品をもっといいものにしよう、という意欲を生むんです。

仮にお客様が狙い通りに喜ばなかったとしても、それは悔しさとなって次に繋がるでしょう。


だからアーケードがいい、といいたい訳ではありません。

家庭用ゲーム機(やそれ以外)の開発では難しいとしても、僕は商品企画者、開発者がお客様が実際に商品を使っている、遊んでいる所を見る機会を作るべきなんだと思います。

難しいなら、それこそ知恵の絞りどころだと思いますね。

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コメント(2): アーケードゲーム開発の良さ(1)

  1. takashi0nakamur より:

    プロデューサー生の知恵ブログから過去記事紹介です:「アーケードゲーム開発の良さ(1)」 http://bit.ly/eoEqgI #gpblog

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  2. takashi0nakamur より:

    僕らはゲームセンターからゲームを開発してお客様の反応をダイレクトに見てモチベーションが高まるという話を鵜之澤さん(BNG副社長)にしたら、劇場アニメの場合もまったく同じだという話だった。http://bit.ly/eoEqgI

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