ゲームに限らず、あるプロジェクトが成功するかしないか、は実のところ始める前に大方決まってしまっています。
と言われると多くの人は違和感を覚えるかもしれません。
正確に言えば、成功するかはやってみなければ分からない要素があるけれども、失敗するほうは、企画がダメな時点で、その後の努力に関わらずほぼ確実に失敗してしまうのです。
水を求めるために水脈を掘り当てるプロジェクトを考えてみます。
水脈がない場所を、いくら掘っても、求める水は出てきません。
どれだけのお金、人、時間をかけても、出ない場所からは水は出ません。
どれだけ高度な掘削技術があろうと、効率的に掘ろうと、ない場所を掘るのには意味がないのです。
商品開発でいえば、水脈の大切な一つは「お客様のニーズ」です。
お客様のニーズがない所に向けて、どんなにお金、人、時間をかけて商品やサービスを作っても、意味がありません。
関わった人は疲弊し、かけたお金は無駄になります。
もちろん、お客様が喜ぶ事もありません。
商品やサービスが成功するかどうかは、別に様々な要素が絡んできます。
以前のエントリー(*)でお話しした「戦略」もその一つです。
場合によれば成功を左右するのは「時の運」、という事もあります。
ですが、もし、水脈(お客様のニーズ)がない事が分かる目利きの能力があれば、少なくとも最初からわかりきった失敗は避ける事ができます。
プロデューサーの役割の一つは、この目利きにあると思います。
スタートする前に、企画の段階で水脈をあてる事ができるか(あてる可能性が高いか)を判断できる能力です。
その目利き力があるかないかで、組織を発展させる事も出来れば、簡単につぶしてしまう事も出来ます。
その意味でプロデューサーの責任は大きいのです。
(*) (参考) 過去エントリー:戦略の発想がなければモノは売れない
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