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多分、僕がまだナムコの業務用ゲーム機開発のプログラマーだった頃(10年以上前)の事です。

ある時、今まで「常識」と思っていた事に大きな疑問を感じました。

何故家庭用ゲームソフトは発売日、あるいは発売された週に一番売れるのだろうか?と。

考えてみたら、不思議なのです(当時の自分にとっては)。

発売日にゲームソフトを買う人は皆、そのゲームを遊んでから買うわけではなく、買ってから遊ぶわけです。

発売日に何十万本と売れるソフトも、皆、遊んで面白さを確かめてから買うわけではないと。発売日に買う訳ですから、誰か遊んだ人の話を聞いて買う訳ではない。

しかも、ゲームセンターのゲームなら100円や200円で遊んでみる事ができるのに、家庭用のゲームは5000円、いやもっと値段がするわけです。

でも、発売日に一番売れる。

つまり、お客様は「遊んで面白いゲームソフトだから買う」のではないのです。

遊んでなくても、買う前に、何千円もお金を出してもいい、面白そう、あるいはきっと面白いに違いない、と想像して、期待して購入しているのです。

その結果、期待通り、期待以上の事もあれば、裏切られて「なんだこのクソゲー!」と思ってしまう事もあります。

ゲーム開発者はがゲームの開発にどっぷり浸かっていると「面白いゲームソフトを作れば売れる」と思い込みがちです。

でも「ゲームソフトが発売日に一番売れる」という事は、違う見方をしなければいけない事を示しています。

僕自身も、10年前までは「面白いゲームソフトを作れば売れる」と思い込んでました。今は、そうではない事を理解しています。

お客様の目から見れば当たり前の事ですが、ゲーム開発の現場で長く働き始めると「ゲームが面白ければ売れる」という勘違いをしてしまうのです。

この話はちょっと奥深いので、何度か事例なども出して違う角度からお話できればと思います。

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