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ゲームデザインをある方法で分析する、という事をあまり説明なく聞くと「それで何が楽しいとか面白いという事が分かるのか」という事を疑問に感じるかもしれません。
その疑問はある意味で正しいといえます。
そもそもですが、「楽しい」「面白い」というのはプレイヤーの心理の主観的評価であり、主観的である故に仮に同じゲームをプレイしたとしても「楽しい」「面白い」と感じるかは「人によって異なる」事をまず意識する必要があります。
今回の分析手法を複数人でのグループによるワークショップで行う意図の一つは、その主観的評価が人によって異なる、という事を理解してもらうためです。チームで分析すると、ある人はポジティブに捕らえる要素が、別の人にとってはストレスでネガティブに感じる事がある事がわかります。
人それぞれのそれまでの経験や、持っている感覚の違いから、まず人によって異なる事を前提とする事は大事な事だと思います。
反対にコンピューターを使ったデジタルゲームでは、ゲームの構造はコード(プログラム)により規定されているため、そちらは分析により客観的に一定の分析結果に近づいていきます(分析手法が妥当ならば)。
この分析ではその主観的な感覚と、客観的なゲームの要素同士の構造を「分ける」事が一つのポイントになっています。当たり前の事のように思えますが、案外例えば開発中のゲームを評価しようとした時に、意見が割れて半ば喧嘩になったりする事があるのは、このポイントを抑えていない事が原因になっている事もあるように思います。
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