東京ゲームショウ2014も3日目が終了し、残り1日となりました。
中村が担当している神奈川工科大学ブースは、お陰様で大変盛況でした。
そんな中、自分としても気づきがあった事もあり皆様に共有したいと思います。
ブースに展示してあるゲームはいずれも大変ユニークで面白く、学生の作品としては完成度が高いのではと思います(ややひいき目かもしれませんが)。
故に「結果」であるゲーム(システム)のほうに目が行きがちですが、私は本質的には出来た結果のゲームが面白いか、面白くないか、よりもそこまでの「過程」を重視しています。
そして、その「過程」で重視する、目的としている事は「面白いモノができる」事ではなく「今までにないモノを作る過程で起こる問題を解決できる人を育てる」事なのです。
ブースに展示している作品の中に Oculus Rift を使った節電カウボーイアクションゲーム「ワットラットラッシュ」があります。
本年度はVRに注目が行く中で、一般日には大変人気になり行列ができる程になりました。また海外のお客様がプレイを希望する事が多く、英語が話せるスタッフがほぼいなかったブースでは、最初は中村がつたない英語でなんとか対応をしておりました。
ワットラットラッシュのチームではこの状況から、英語で対応するマニュアルを自分たちで作成して、海外のお客様が数割ほどいた中でほぼ学生スタッフだけで対応していました。
視界を塞ぐ Oculus Rift のようなゲームでは身振り手振りでのコミュニケーションは取れないので、言葉でなんとか伝える必要があり、マニュアルで対応した事はすばらしい事と思います。
彼らは大きな学びをしました。何より、彼らの行動から中村が学びました。体を動かすゲームは海外の方に人気になる傾向があり、画面の表示物やオペレーション上で予め対策が必要でした。大事なのは中村が指示したわけでもなく、チームの学生達が自分たちで考え、行動し、やってみてフィードバックを得る(つまり Develop そのもの)をしていたという事です。
一般の企業と違い大学はモノを作る事そのものではなく「人を育てる」事が重要な目的です。ゲームとして面白いものが出来た事は結果であって、重要なのは「人のことを思いやり、観察し、問題を発見し、解決策を考え、自ら行動できる人材を育成する事」だと考えています。
今年の展示の課題に「四角い画面とゲームコントローラーの組み合わせ禁止」という条件が入っている理由の一つは、「今までに誰もやった事無い問題を解決する」事を意図して設定したハードルで、そういう事を乗り越えて、人を喜ばせる楽しさを知り、自ら行動できる人材を育てたいからなのです。
もし今後、神奈川工科大学のゲーム展示を見る機会があるならば、そういう視点で見て頂き、学生スタッフに是非質問して頂ければと思います。彼らなりに考えて行動した事の一旦が垣間見えれば、色々と発見があるのではと思います。もちろん時間がある範囲で中村も対応させて頂こうと思っています。
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