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ゲームを作る側の人間としては、実のところ世間のゲームの情報から意識的に遠ざかろうとしても、本当にゲームの事を知らない人の立場になるのは大変に難しいです。

であるなら、ゲームを本当に知らない人、ゲームを全然遊ばない人をよく観察する事でその人達の気持ちを理解する努力も別に必要になります。

そんな人を観察する機会はないな…と思うかもしれません。

でも、身近にいるよく知る一人、を想像してみるという手があります。

例えば…あなたの母親はどうでしょうか。

il piatto


自分が作ったゲームがあったとして、それが動く家庭用ゲーム機をソフトと一緒に実家に送ったとしましょう。

でも…あなたの実家の母親はゲーム機の箱を開けて、そのゲーム機をテレビに繋ぐ所まで行けるでしょうか。

多分、僕の母は無理だと思います。実家にいるときは、家電製品が来たら、設置と設定は全部僕の仕事でした。

女性の年配の方は特に、機械に弱い方が多いものです。ゲーム機の取扱説明書を読めば… って事はいいませんよね?

仮に機械には多少詳しい父親に手伝ってもらって接続する事が出来たとして….あなたのそのゲームは、両親に説明なく楽しんでもらえるでしょうか。


いや、中村さん、僕の作っているゲームはターゲットが違うので無理ですよ、と思うかもしれません。

でも、今のような思考をして、あの人だったら…と考えればゲームを知らない人の気持ちが少しは分かるかもしれませんね。

そう考えると、身近にもゲームをまったく遊ばなそうな人がいませんか?

その人だったら…と考えてみたら、どうでしょうか。

ちなみに、僕は妻を観察する事で「ゲームを知らない人」の一つの反応を確かめる事を頻繁にしています。理由を聞けるのもメリットです。

以前にお話したパッケージのエピソードもその一つです。

(参考) 過去エントリー:お客様は何も知らないという前提で考える

そういえば、任天堂の宮本さんもGDC2007の基調講演で、「奥様メーター」という話をしていました。僕と同じで(笑)奥様がバロメーターになっているようです。

Game Watch 任天堂の宮本茂氏による基調講演 “A Creative Vision”

http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070309/miya.htm

ぼんやりと「お客様」というイメージを持つよりも、身近にいる「あの人」と考える事で自分とは違う視点で物事を見ることができるような気がします。

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