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一般的に能力というものは、生まれつき備わってたり、自然に、いつの間にか身についたりするものもありますが、後から自分の努力によって身につくものもあります。

後から身につくものの多くは、単にやり方(How)を知るだけではなく、同時に繰り返し「訓練」をする事で身につくものが殆どのように思います。

ゲームデザインを行う上で必要とされる能力の幾つかも、やはりある程度の「訓練」をしないと身につかないものです。ですが、ゲームデザインの能力を鍛えるための訓練方法について聞いた事は殆どありません。

ゲームデザインの能力を高め、センスを磨くために効果的と思う、一見ゲームとは関係ないように見える訓練の方法についておすすめのやり方をお伝えしようと思います。


今回の記事では、その1つ「教材クリエイティブ作成法」の事をお話しようかと思います。

この方法は特にまだ、学生(小学生から大学生)位の方に役に立ちます。ゲームデザイン的センスを磨きながら、学力もアップできるという一石二鳥な方法です。

皆さんは、算数とかのドリルをやった事がありますよね。

Childhood workbook

算数の似たようなパターンの問題がズラズラっと並んでいて、ひたすら解いていくというあれです。

好きな人もいると思いますが、宿題とかでああいうのを出されて、やる前からいやな思いをした記憶はないでしょうか。

ああいう教材の問題を解くのはいってみれば「プレイヤー」の立場です。

逆に教材の問題を作ろうとするのは「デザイナー」「クリエイター」の立場です。「プレイヤー(問題を解く人)」の事をよく理解して、どういう教材を作れば解く人がわかった!となるのかを考えていく必要があります。

もし、あなたが新しいゲームを作ったとしたら、そのゲームがどんな操作でどんなルールなのかをプレイする人に理解させる必要が出てきます。ゲームデザインを実際にしていく中で「学習デザイン」の能力とセンスは、身につけておく必要のあるものだと思います。

例えば、まだ「マイナス」の数字が理解できていない人に、どうやったら「マイナスの数字」の事を理解させられるのか。どこから教えるのが一番わかり易いのか。世の中の事例で言えばマイナスの数字は何に例えられるのか。

単に、マイナスの数字が出てきたドリルの問題を解く人の立場とはまったく違う次元でモノを考えなければいけません。これは、プレイヤーの視点で考える事と、ゲームクリエイターの視点でモノを考えという事の違いと殆ど同じです。

なにより、ドリルの問題の正解はひとつしかありませんが、問題を作る側の立場になるとそれを理解させるための「問題」の組み合わせは無限の組み合わせがあります。そこにクリエイティブな発想と、この問題を解く人がいて、その人が何を理解しているけど、ここはまだ理解できていない、という相手の立場を理解した上で上手く教材を作成していく必要があります。

いきなり複雑なモノを作ろうと思うとはまってしまうと思いますが、例えば繰り上がりのない1桁の足し算と引き算のドリルを作成してみる、というところからなら小学生でも始められるでしょう。
でも、そこで、最初の問題は「□+△=」の□と△に何を入れのが一番よいのだろう、何問位が達成感もあって続けるのに苦がない問題数なんだろう、と考えるだけでもクリエイターとしての考え方の一歩となると思います。

それからモチベーションを起こすのに、問題を解いたら暗号のキーワードが出てくるのはどうだろう、といった工夫もできたり、学校の先生は絶対に使わないだろうけど、解くのが楽しくなる言葉を使った文章問題というのを出すってのも面白そう、と考えてみてはどうでしょうか。

不思議なもので、あることを教えようとすると、自然にその事について深く理解しようとするし、理解もできます。ゲームデザイナーになりたければ、非常に役立つ訓練ですし、同時に自分の学習のためにもなるという方法です。


そういえば、こんな記事がありました。

ITメディア:“うんこ”で楽しく算数を学ぶ――カヤックの「うんこ演算」

値段が390円の理由にちょっと笑いました。

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