ゲーム開発や商品企画をする人達は「売れている商品」が何かを調べようとして、結局POSデータから集計される週販売上TOP30を頼りにしてしまう傾向にあります。毎週の売上TOP30をずっと見ているから、売れ筋がなんだか把握している、と考えてしまいます。しかし、これは本当の意味で売れている商品を見落とす可能性が実は高いのです。
それは、「ランキングには殆ど載ってこないが、お店では実は売れている商品」というのがあり、実はそういう商品こそお店が必要で、利益に貢献する商品になっているからです。
以前にお店にとって「定番商品」がいかに大切か、という話をしました。
過去記事:定番商品の必要性
過去記事:定番商品になる条件とは
実は、定番商品といわれる商品の殆どは瞬発的に売れないかわりに、地味にずっと売れ続ける商品なので、発売から何ヶ月かたってもお店には新品で品揃えされていて売れたら、すぐに補充され、その商品もまた売れ、また補充、そういう売れ方をします。
このような商品は週に10本以上も新作が発売される状況で週だけの集計ではTOP30等のランキングには入っていませんが、地味にコンスタントに売れ続け結果的にトータルでは意外なほど売れている、という事が多いのです。
毎週TOP30の売れ行きを見ていて、ゲームの売れ筋を知っているつもりになっている開発者と、お店でランキングには入らない定番商品の売れ行きを知っている人の間では、「本当に売れているもの」の認識がものすごく違ったりするわけです。
また、ランキングで初週だけランクインするような短期間で量が売れる商品は同時に値崩れの可能性も高く、中古でも値段が低かったりするので、お店にとっては商材としてはあまり美味しいものではなかったりするのです。
僕のポリシーは「永く愛される商品を作る」事にあります。永く売れ続ける商品が結局はお客様のためにも小売店のためにもメーカーのためにもなるからです。
過去記事:永く愛されるゲームを作る
その視点からいえば、実は「ランキングには載ってこないけど、地味に売れ続ける商品」の発見と、それを誰が買っていて、何故売れ続けているのか、の分析が実は大切なのだと考えています。
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コメント(1): ランキングに載ってこない本当の売れ筋商品
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書店でいう司馬遼太郎と藤沢周平と山本周五郎の文庫みたいなものですね。あと、ちょっと前だと赤川次郎。