店頭観察は今すぐに始められる

On 2010年11月19日, in ブログ, by nakamura
この記事の所要時間: 211

お客様を知る、ということはプロデューサーであるかないかに関わらず、商品に関わる人には重要である。

しかしながら、実際に調査をかけて実態を知ろうとすると色々とお金も手間もかかるという事は確かにある。

店頭観察は、その意味で、時間さえ作れば誰でも今すぐ始められる。お店ではお客様の行動、店頭の実態、品揃え、店舗の工夫、その他色々な情報を「無料」で見る事ができる。

ただ漫然と見ていても発見は少ないだろうが、店頭での事実を見て、それが「何故」なのかを繰り返して考えて仮説を発見していくという目的意識を持っていれば、いくつもひっかかる事が出てくるはずだ。

それらの「ひっかかる事」がはっきり何故なのかがその場で分からない事も多々あるが、何度も繰り返して同じ店を観察したり、他店舗と比較してみることで、新たな気づきと、それが何故なのかの仮説は得られるはずだ。

店頭観察が大事だ、という事を教わったのは、何もマーケティングを教わってからという訳ではない。

僕がナムコに入社した時から、先輩から「とにかくゲームセンターに行け」という事を口酸っぱくいわれ続けていた。(今はどうなっているか知らないけれど)ナムコでは新人は入社したら開発で採用されても職場に配属されるゲームセンターで店員として2ヶ月ほど研修して「現場」を知る事を大事にしていた。

中途社員で入社して、ゲームセンターでの研修を受けないままの当時プログラマだった僕は、お店はそれなりに見に行っていたが他社のゲームがどんな技術を使っているかとか、どんなゲーム性のゲームなのか、というような作る側の視点でしか見ていなかった。

しかし、何度も足を運ぶうちに、意外な事に気づいたりした。


例えば、カップルで来た女性が体感ゲーム機を遊ぶ時に、持っているカバンを置く場所に困っている様子。地面には置きたくないけど、筐体の上には置きにくい。

4人通信対戦のレースゲームで、お財布から小銭を出すのに手間取ってしまい、4人みんなでレースするつもりが1人取り残されて、一人プレイになってしまいがっかりしている様子。


ゲームセンターはお客様が実際に遊んでいる「現場」なので、その気になれば商品開発、サービス向上にすぐに役立つ仮説は様々手に入るはずだ。

もし、商品企画をする立場の人間で、現場に足を運ぶ習慣を身につけていないなら、今すぐ店頭観察を始めるのがいい。

何度も店頭を訪れる事で、ヒット商品を作るのに役立つ生の情報を得られるはずだ。

できれば経営者にも数字ばかりの「シジョウ」だけでなく「いちば」=「現場」に足を運ぶ習慣をつけて欲しいのだけれども。

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