今はゲームの世界でも売上データはPOSで管理されるのが普通になっていて、確かに、「何が売れたのか」という事実だけは数字のデータで席に座っていても分かる時代である。
しかしながら、下記については売上のデータを見ても分からない。
- 購入者が買った理由。
- 非購入者がどれだけいたか。
- 非購入者の買わなかった理由。
- 購入後の使用動向。
- どれだけ使われたのか。
- どこが満足か、不満か。
つまり、POSのデータからはむしろ分からない事が多いといえるのである。
上記の中で、特に「非購入者の買わなかった理由」は売上を伸ばす、新規客をつかんで新しい商品を開発する事を考えると非常に重要である。
しかし、これは数字に表れない情報で、生の情報からでなければ得られない。
売上のデータばかり見て、モノを作ると典型的には下記のようなことになる。
XXの地域の市場が伸びています。
↓
XXの地域の市場で売れているのは○○○というジャンルです。
売れているものはXXX万本も売れています。
↓
ですから、XX地域向けに○○○というジャンルのゲームを作りましょう。
調査の結果どうやらプレイヤーの好みはXXXXXな風貌の主人公らしいです。
↓
XXXXXXな風貌の主人公の○○○ジャンルゲームをXX地域向けに発売決定(2年後に)
現実によくある話であるが、そうやって出来た商品は同ジャンルの後発商品で、伸びているという事実を知ってからさらに開発に数年をかけて発売したりするので、すっかりタイミングを逃して、よくある商品の中に埋もれてまったく売れない、ということになりがちである。
もちろん、以前にお話した通り、後発でも戦わずして勝つ「戦略」があればこの限りではないのだけれど、現場を知らないでモノを作ると結局むしろ知らないでやったほうがいい結果が出たのでは、と思う事もしばしばである。
現場の重要性を知った僕は、店頭観察にはまって、それに飽きたらず、ある方に頼んで、3ヶ月間ほどゲームショップの店員としてプロデューサーになった後に働かせてもらった。
「現場」での経験が今の自分を支えていると思う。
その経験から得られた知恵は、このブログで少しづつ伝えていくつもりだ。
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