この記事の所要時間: 約 2分34秒 Tweet ブログを書き始めてから少し時間がたってしまいましたし、僕がこのブログを(それなりに力を入れて)書いている理由を少しお話させて頂ければと思います。 参考過去記事:中村が伝え […]
[続きを読む]ブログを書き始めてから少し時間がたってしまいましたし、僕がこのブログを(それなりに力を入れて)書いている理由を少しお話させて頂ければと思います。
参考過去記事:中村が伝えられる事
僕がナムコで働いてよかったと思う事の一つは色々経験させてもらえた事です。
よく、他社から来た人には「ありえない」と言われる事があったカルチャーの一つですがナムコは昔は「これがやりたい」と言えばやらせてもらえる(あるいはちゃんと聞いてもらえる)雰囲気がありました。
いや、もちろん期間や人数をかける場合には正当な理由が必要だし、そうでなくても、他の人には迷惑はかけない、みたいな暗黙のルールはあるわけですが、プロジェクトが一段落したあたりで、次が決まるまでは少なくともこれをやろう、おもしろそうだし、みたいなミニプロジェクト的なものは結構許されて変なものがいっぱい動いている時代がありました。皆が知っているもので、実際に製品化されヒットに繋がったモノもいくつもあります。
それに加えて、教育・研修的なものを受けるチャンスは沢山ありました。僕自身もいわゆるリーダー研修的なものを何度か受けましたし、マーケティングに関する研修も幾度となく受けました。
その上で、実際にプロジェクトのリーダーをやって、得た経験や知識が僕にはある訳です。
社内では、自分自身が研修を企画する事もありましたし、積極的に外部のセミナー等にもメンバーに参加してもらったり、僕自身が研修講師を行ってカリキュラム的なものを作ったり、テキストを作ったりしていました。
ずっと大きい会社にいると、それらの事が実に恵まれているという事に気がつかないかもしれません。僕自身も、外に出てみて非常に実感した事です。ゲーム業界の中小の会社では社内に研修講師がいるとか、研修、教育の機会や仕組みがある例は現実には殆どないように思います。
以前サイバーコネクト2の松山さんに呼ばれて社内講演を行いましたが、あんなふうに積極的に社内の人材育成に力をかける事は業界の中ではレアケースなのかもしれません。
現実、開発の現場では教育にかける時間を取る事は非常に難しく、また、仮に社内にそれなりの経験とノウハウを持つ人がいたとしても、その人が「教えるのがうまい」とは限らないという現実があります。
僕自身はプロジェクトのリーダーで実製品の開発に企画から開発、販売、宣伝に至るまで関わらせてもらえただけでなく、そのノウハウを社内で研修の形で伝えるという経験を数年にわたってしてきました。退職した今は、今僕が持っている知恵を広く伝える事で、現実的にはなかなか会社に入ってから教育・研修等を受けられないゲーム開発者、関係者、あるいはこれからゲーム業界を目指そうという学生の方の役に立てればと思っています。
ブログは、そんな僕のノウハウ・知恵の一部をご紹介する場です。
今週末 6/18(土)にツブヤ大学にて講義を持ちますが、これからも講演活動、執筆活動、その他で僕がお役に立てる事をしていきたいと思っています。
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この記事の所要時間: 約 1分44秒 Tweet 今からおよそ10年前、僕はナムコで働きながら、当時のゲーム業界の流れになんともいえない違和感を感じていました。 PlayStation 2 が絶好調な時代、ゲーム開発者の […]
[続きを読む]今からおよそ10年前、僕はナムコで働きながら、当時のゲーム業界の流れになんともいえない違和感を感じていました。
PlayStation 2 が絶好調な時代、ゲーム開発者の誰もが「綺麗でリアルなグラフィックのゲームが売れる」と言わんばかりに開発に時間とお金をかけて、そのような方向に進んでいました。確かにそのような指向のゲームにヒット商品は生まれていたし、PS2でなければ実現できないゲームを作るというのは、確かに当時の進む方向性の一つではあったとは思います。
ただ、そういう方向性で進んでいくとPlayStation 1 の時代に比べて遙かに開発費も時間もかかるにもかかわらず、売り上げが2倍、3倍になるか、といわれれば決してそんな事はなかったように思います。何かがおかしい、僕はそう思っていました。
そんな時に出会ったのが「もじぴったん」の企画。アイデアにあふれた、シンプルで今までにない面白さのゲームでした。僕がやりたかったのはこういうものだ、そう思い立ち上げからずっと「もじぴったん」に関わってきました。
その後ハイエンド機の話が段々明らかになっていくと同時に、PlayStation 2の時でも開発費の高騰とそれに見合う売り上げが上げられるか微妙な状態だったのに、いったいどうなるんだろう?本当に従来の延長線でモノ作りをしていくべきなのだろうか。それを疑問に感じていました。僕はもっと違う発想、アイデアが必要に感じていました。
10年経って、あの時に感じていた違和感が、ただの思い過ごしではない事を実感しています。今後しばらくの間、立ちゆかなくなるゲーム会社が続々と出てくるでしょう。
今のゲーム業界に足りないのは「クリエイティブ」でありそれから生まれる「アイデア」だと思います。残念ながら構造的に本当にクリエイティブが発揮できる環境でゲームを作っている人は希でしょう。
ですからネガティブスパイラルに陥り、さらに「アイデア」が不足する状況にあるのです。
次回は何故「クリエイティブ」と「アイデア」が必要なのかについてお話しようと思います。
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この記事の所要時間: 約 1分49秒 Tweet 2000年にナムコで構造改革がありプロデューサー制がスタートした際、中村は最初のプロデューサーとして「もじぴったん」の担当になることになり、当時ちょうど開発のスタートして […]
[続きを読む]2000年にナムコで構造改革がありプロデューサー制がスタートした際、中村は最初のプロデューサーとして「もじぴったん」の担当になることになり、当時ちょうど開発のスタートしていたPS2,GBA版のもじぴったんの開発にあたりました。
プロデューサー、といっても会社や組織によってその役割は異なります。ナムコでの当初のプロデューサーの役割は、商品の開発リーダーであり、宣伝等も含めてトータルに商品の総責任者という役割を任されていました。
予算管理、進捗管理、チームマネージメントだけでなく宣伝、販売戦略の立案を担当しました。当然商品の売り上げ利益については一番責任を持つというのがプロデューサーでした。
元々プログラマの自分は家庭用製品を手がけるのも初めてで、流通の仕組みも宣伝のやり方も何も知らない状態で、なおかつナムコ社内では低予算のプロジェクトだったので、ディレクターも兼任しつつ日々分からないことを社内で聞きまくり、勉強、勉強の日々を過ごしていました。
当時の自分を突き動かしていたのは、「もじぴったん」というゲームは世の中にとってもっと価値がある商品であって、なんとかして沢山の人に遊んで貰ってその価値を知って欲しい、このおもしろさを感じて欲しいということでした。
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